最高裁判所第二小法廷 昭和30(オ)265 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人等の負担とする。
理 由
上告代理人の上告理由第一、二点について。
原審は証拠により本件家屋の内階下一三坪三合三勺が店舗用として賃貸されかつ
店舗として使用されていたものでありその後当事者間において全部又は一部の使用
目的変更の合意成立の事実がないことを認め、従つて地代家賃統制令の適用除外の
建物であると判断したのである。所論検証は唯一の証拠方法でなく、所論は要する
に、原審の適法にした証拠の取捨、判断、事実の認定を非難するに帰し採用し難い。
同第三点は前記統制令の適用があることを前提とするもので、原審の認定に副わ
ないものであるから採用に値しない。
同第四点について。所論賃料減額の請求については原審は既に借家法七条に規定
する事情変更の点について、認むべき証拠がないとして、これを排斥したものであ
るから所論適正賃料の鑑定は唯一の証拠方法とはいえない。
同第五点について。原審は雨もりを理由とする家賃減額の主張を排斥しているの
であるから原判示は所論の如き理由齟齬の違法はない。
同第六点について。原審は上告人Aの賃料不履行を理由として昭和二七年九月一
日本件賃貸借は適法に解除されたものであり、所論提供および供託は何れもその後
にかゝるものであつて不適法であると判断しているのであるから、所論の如き理由
不備の違法はない。
同第七点。所論権利濫用の主張については原判決は本件解除が上告人等主張の如
き目的を以てなされた事実は認むべき証拠がないとして排斥したのであつて、右判
断は相当であるから所論の違法はない。
- 1 -
同第八点。所論は要するに原審の適法に確定した事実認定を非難するものであつ
て採用に値しない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、、主文の
とおり判決する。
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 小 谷 勝 重
裁判官 藤 田 八 郎
裁判官 河 村 大 助
裁判官 奥 野 健 一
- 2 -